第93回全国大会予選_準決勝 花の円陣


20131102_第93回全国大会予選_準決勝_対佐野戦

今日の結果をどう言い表わせば良いのだろう。
今日の試合は、昨年と同じ様に今年1番の好カードと
言ってくれる人は、いてくれるだろうか・・・


そして、強いとは何なのであろうか。
確かに1年生・2年生共に良くやってくれた。
特にキッカーの君は、1年前試合中に足を痛め
思うように前に蹴る事が出来なくても
必死に試合に出続けた君だったね。
君は、いわれのない思いを1年間心の奥にしまっていた
1人じゃなかったのかな

先輩たちが引退の時、「必ず2年連続で関東大会に行きます。」と
先輩達を送り出した3年生達。
しかし、それは叶わなかった。
自分たちの夢をその時点で、もう2度と無いかのような
佐野日大ラグビー部の中での伝説にしてしまったのだ。
心が折れ、自分たちの目的を見失ってしまった。
明らかに歴史に裏打ちされた
強い佐野高校のみなさんの
背中をずっと1年間追いかけてきた。
差が縮まったとは思えない。
父母会の皆さんがいつも氷を運んでくれた。
練習試合で勝っても負けても運び続けてくれた。
監督や部員の跡を追い、少年少女の心を持ち
いっしょの目線で夢を追いかけてくれた。
夏の合宿、多くの強豪校と戦い
藤掛監督といっしょになって
辛い練習というより考え実行する練習を行った。
3年生は言う「昔の菅平の方が辛かった」と・・・
合宿を続けるうちに
自分の力で気力を徐々に取り戻した3年生

いつも中心になり、試合に必ず出続けた主将
ピンチをいつもチャンスに変えるトライ
数えられないほど見せてくれた。
自分の背中でラグビー部を引っ張ってくれた。
いつも、笑い顔で試合に臨むムードメーカー副主将
君は、いつまでもこのメンバーで試合を続けたいと
言っていたんだよね。だから1試合でも多く
勝ち続けると言っていた。
1回戦の時、前半でもう出ないほど声をからして
いたの見た父兄がいたよ。
自宅が遠いのにいつも朝練習の時は、
始発の一番列車でぎりぎりにやってきた!
大きなFU君、自分の病気や怪我と戦い
長い休養から戻ってきてすごい突進を見せたね。
君が、入部して直ぐに見せた低いタックルほんとに
凄かったの忘れることできないよ。
君が、フォワードに戻ってきてくれたのはとてもうれしいよ。
SIB君、君は怪我で野球を挫折したけど
ラグビーと出会ってどうだったのだろう・・・
経験の浅い君は、良く下級生に聞いていた姿見ていて
自分に負けるなって いつも影から願っていたよ。
1ヶ月半前、骨折してしまったけれど
なんとか今日間に合ったね。
タックル練習で真っ赤にうっ血しているの見て
お母さんも心配していたけど、君の逃げない姿勢に
何も言えなかったそうだよ。
AB君、君は関東大会に出た経験がありながら
サブに廻ったけど、腐らない忍耐強いの前から
知っているからね。
1回戦終了後、試合に出れるチャンスがあるのか分からなかったが
SIB君と一緒にジョギングコース何周も
ひたすら走っていたね。
スーパーサブでいてくれる安心感、人柄みんな知っている
頼りにしているんだ。
君たちは、1人も経験者がいた訳ではない。
しかし、藤掛監督就任し3年間教えを乞うた
初めてのメンバーである。
折れない心、雑草であっても輝ける事を
信じた者たち・・・

この日、OBが全国各地からこの地を目指しやってくる。
藤掛監督との暗黙の約束だ。
1時間前、父兄が1人1人集まってくる。
昨年の部員の父兄たちも何人もやってきた。
忙しい仕事のやり繰りをして駆け付けた。
センターライン左サイドのスタンドに
多くの関係者が集まり出す。
2年前、誰が関係者か分からなかったことが
本当にうそのようである。

ラグビー部Aチーム君たちも菅平以後
戦えば負け、そして戦えば負ける日々だった。
しかし、監督や仲間と過ごす喜びの中から
この大会だけを考え、自分達のラグビーは
間違いではない事を信じ負け続けた。
昨年にも増し、負け続けた。
相手が強すぎて、2人がかりでも倒せなかった。
監督は、試合のたびに修正・修正・修正
と言い続けた。
負けの中から、1本のトライの大切さを その重みを
みんなで取りに行くことを叩きこまれた。
3・3の花の円陣は、準決勝であるがゆえに
声の力に決意が増していた。
さらに、ベンチにいる控え選手たちも
誰が言うのでもなく、自然にいっしょに肩を
組んで一つになろうとしていた。

「お前が倒れたら、次は俺が行く」
そんな勢いがベンチから
スタメンの心を押し上げた。
開始早々のトライ。思わずビデオを持っている手が震える
見ているものに、昨年の展開が蘇る。
しかし、監督はじっと身体を少しも動かさず、試合中一環して見ている。
全てを教え切り、全てを選手に任せじっと見つめる。
小さなミスを連発していた1回戦・・・
3日や4日で修正できるのか?
疑った・・・・
先輩たちが抜けて弱体化していたフォワードも
やっと今日間に合った。
後半開始、更に彼らは円陣を組んだ。
今までこんなことはなかった。
みんな精悍な良い顔付きだ。
今日、最後まで全力で戦い抜く!
始めから体力温存などあり得ない。
集まったOBに、1年がかりの約束を
今日絶対に果たすというように
雄叫びをあげた。
絶対の約束、みんなのPRIDE・・・・

試合終了5分前、スーパーサブ3年生2人がフィールドに
現れた。
お前達の、思い出作りに出したんじゃない。
この時間帯でもう一本狙えと強く送り出した。
2人が入ったことをみんなが喜んだ。
同期が・・・
下級生が・・・
父兄が喜んだ。
みんなで身体を思い切りぶつけあい、心から受け入れた。
これで揃うべき者たちが揃った。
一人一人の耳に、彼らしか聞こえなかった
今から本当の試合開始のホイッスルが聞こえたであろう。
真の意味でラグビー部が一つになった瞬間でもあった。
1000日に渡る練習の成果を5分間に叩きつける。
それは、短い時間であるが大きな時間でもあった。
最後の最後まで一歩でも前進しろというメッセージでもあった。

そして、傷のある肩から突進する
痛みは我慢すれば良い・・・
今は、一歩でも前に進みたい。
それが、僕らのプライドだ。
君は、監督や基本を叩き込んでくれた
遠くから何度も教えに来てくれた
偉大なる親父(尊敬の念を込めて)から
「試合に出なくてもチームの大きな柱」と言ってくれた。
しかし実はこのチーム大きな柱を
きっと5本持っていたのではないだろうか。
それぞれの良い所を持っている彼らは
5人で監督をカバーしていたに違いない。

そして、終了前から堪え切れずベンチで涙を流す仲間がいた。

そしてホイッスル・・・・・

2年生のご父兄がこんなことを言ってくれた。
昨年の試合が続いているように思えたと・・・
一瞬にして365日の日々が消え去り
今日この日に繋がった一地方都市にある
高校ラグビー部の物語となった。
彼らにとって、
きっとこの試合に勝つことが
勝ったということではないのだろう
と家に帰りながら考えていた。
この365日、
苦悩しながら監督以下、部員一同が
どのように過ごしてきたのかである。
ノーサイドのホイッスルを聞くに至る道こそが
今回はそれぞれの自分自信に勝った証となったのだろうと思う。
雑草に花を咲かせた君たちは、”クール”だった。
しかし、大輪を咲かせたわけではない。

そして、監督は更に先を見つめている。
皆の一つの目標であったファイナル出場・・・
ファーストステージからセカンドステージへの移行を迎える。

佐野日大にとって、決勝戦のフィールドはどのような景色なのだろうか。
佐野日大らしい爽やかなラグビーを見てみたいものである。

※プライベートモードが設定されています。関係者の皆さん
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