台風による雨の影響の中、時間を惜しむかのように
練習は続く・・・・

2012年初春、冷えた北風が旗川の静かな流れに沿って吹き
校庭に立つラグビー部員の頬を撫でる。
たった5人のラグビー部から増えたといっても
15人足らずのラグビー部。
いかに弱小とささやかれても、明日はきっと勝てると信じ
て直向きに練習する者たちがいた。・・・・
誰が聞きつけたのか、「今度、ラグビー部希望の新入生が3人来るぞ!」
との噂。「しかも、経験者が2人もいるぞ!」
それが、噂であったとしても皆が喜び練習の励みとなった。
新1年生の入学を楽しみにしている上級生が
他のどこにいるのかというほど喜んだ!
皆、誰かが言った冗談かもしれないと、心のどこかで思っていた。
実績の無いラグビー部に入りたいなど思って入部して来るものなど
有り得ない話だと心のどこかで思っていた。
そして、4月噂では無いことが分かった。
皆、「まだ、顔が可愛いんだよ」「でも、しっかりしているんだ。」
「キック力があって、凄いんだ。」「タックルも凄いぞ!」
心から歓迎した。
彼ら3人は、初めての佐野日大ラグビー部寮生でもあった。
何でも初めてというのは、ラグビーに集中するだけではなく
大変であったに違いない。
そんな彼らが、入学後直ぐに始めた事があった。
自分たち自身で仲間を集め始めたのである。
熱意に共感し、驚くことに他に7人の仲間が新たにやってきた。
自分たちの意思で集まった10人
それだけに、一際団結力の強い10人となった。
それが今、最高のイベントである全国大会予選に立ち向かう
3年生達なのである。
確かに、どこまでも勝ち続けることはラグビー部の信念である。
しかし、ほとんどが経験なく普通に入学してきた者たちが
3年間決して恵まれていたといえない身体を鍛え上げながら、
誰もがキャプテンシーを身に着けたに違いない。
勝ち負けや格の違いなどというものを語る前に、
彼らが一戦一戦を大事にし、どのように大量点・失点していたとしていても
限りある時間の許す限り、1本のトライに拘り続ける姿があるならば・・・
身体をくの字に曲げ、手を膝に於くような姿を見せないならば・・・
ベンチにいようとフィールド内にいようと関係なく
一つになる直向きな姿があるならば・・・
佐野日大ラグビー部の引き継がれるべき熱き魂を滾らせ
後輩たちを引き連れ見せてくれるならば
私達は、10人を中心としたラグビー部員一人一人の姿を
フィールドにいる限り
最後まで眼で追い続けるであろう。
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