佐野日本大学お知らせ最新情報記事掲載です。
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 誰が書こうと言い始めたことじゃない。
部員たちは、思いの全てをエリスハウス寮食堂のボードに、殴り書きし決勝の舞台に臨んだ。
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「名峰 富士」 一生の間に1度は登ってみたいと、誰しも思うのではないだろうか。
山を登るのには、色々な楽しみ方があるのだと思う。
「傘は風が強いと飛ばされてしまう」と登り始める準備やルートの計画を熱心にするもの
静かに登りながら峰や尾根の景色を眺め、ゆっくりと歩みを一歩一歩進める者
ご来光を見ようと剣ヶ峰を一気に目指す者
しかし、何度足を止めたとしても登り切り、頂から見る景色を初めて見たとき
苦労の時の一つ一つが頭の中を廻り眼に映るものは
例えがたい最良の景色であることだろう・・・

後半戦、モールで押し込んだ・・・
しかし、判定はノックオンでトライならず・・・
監督が就任され、この3年間 毎年その年度のチームは進化を続けてきた。
2年連続の決勝戦 君たちは何を残したのか
全く手のとどかなかったゴールラインに触れられるところまで一気にきたのである。
このラインを超えることは、これからが大変な道に違いない。
その道を一歩一歩、前に歩みを進めてくれた。
後輩たちに残した財産は、溢れすぎる涙と共に残してくれたことは
計り知れぬ程大きいのである。・・・・
世の中に
険しい道を歩くのが楽しいと思うものは少ないかもしれない
それでも難しい険しい道でも、一緒に歩きたいと考える
新入生達に希望を与えてくれた
そんな、君たちは私たちの誇りであるに違いない


決勝戦1時間前、スタンドには一つ一つ傘が増えていく
雨の中、早くから生活指導の先生・家庭科の先生達
そして応援の生徒たちが普段話したこともないかもしれない
自分たちの為に来てくれている。
競技場端の芝での準備運動を始める。
次第に試合時間に合わせ、皆の動きと声がヒートアップしていく
もっと早く、もっと大きな声が競技場に響き渡る。
ラグビー部卒業生達が毎年もっと強くなるようにと
少しづつ残していってくれたタックルバックに
思いを込めてドスン・ドスンと何度も重く突き刺さる。
誰が書いてくれたのだろうか
画用紙に一人一人の名前が大きく書かれ立掛けてくれた正面応援団の席
スタンドのどこからか、聞いたことのある歴代父母会の皆さんの激励の声が飛ぶ
決勝戦グランド開始のホイッスル前
佐野日大”花の円陣”が組まれる。
これを見つめる多くの眼があった。
この日の為に西に東に分かれていたOBが前後半1時間だけの為に集まってきた。
ほとんどのものが試合が終わればトンボ返りしなければならないと聞く
猛然とした応援・指示ともつかぬ激が飛ぶ!
自分たちの先輩たちの声に応えるように
思いのこもったタックルを次々と見せた。
相手陣地の奥深くまで何度も押し込んだ。
力の続く限り、前に進んだ
「AKI!まだ終わってないぞ」「kuni押せ」と一人一人の後輩たちに
スタンドから後押しをする強い声がフィールドに響く
何故かその激の声を聞いていると、ジンとくる。

善戦した内容は点数に表現することはなかった・・・

しかし、私達は全てを覚えていようとベンチ・フィールド全てを目に焼き付けていた。
皆が、1年間隠しておいたのかと思うほどの強烈なタックル
どんなにプレッシャーを掛けられてもラインが崩れぬ美しさ
バックスが抜かれたとき、必死に追いかけ倒れながら指先だけで食い止めた姿
終了のホイッスルを聞いても誰も疲れを感じさせず、まだいける闘志
1年間模索し苦しんできたチームカラーを、決勝戦に間に合わせることが出来た。
多くのものを見せてくれた。
そして、やり尽した選手には何が見えたのだろうか


1年生マネージャーが、1人1人にお守りを作ってくれたこと・・・
スタンドのOBに交じりながら、3年生元部員がラグビー部のジャージを着て
フィールドの仲間に自分を重ね合わせ応援していたこと・・・
グリーンカーペットを退場する後輩たちに、大きな声で「泣くな!」と
言ってくれていたスタンドの先輩たち・・・
父母会会長・キャプテンの父兄を始めとする3年間支えていただいた
ご父兄の皆さん・・・
本格的コーチングをしていただいたコーチの顔・・・
支援していただいた母校に・・・
全てに感謝を伝えたい

監督、この1年間試合を見るたびに
練習試合で勝利したとしても、
あなたらしいラグビーを見ていなかったと感じていたかもしれない。
きっと誰よりも模索し悩んできたのは、あなただったのかもしれない。
しかし、又もや僅か2週間の間にチームの力を最大限に引き出した。
あなたの城は小さな城かもしれない。しかし、将に名将の采配を見せてくれた。
そればかりか、あなたらしい挑戦者にふさわしいラグビーで挑んでくれた。
あなたは、最後の決勝戦で部員から自分の仲間・家族とも呼べる者たちを
手に入れた。これが、勉強の一つというなら、この上なく大切な負け方を教えてくれた。
また来年も必ず見たいと思わせるドラマのエンデングを見させてくれた。

近い将来、監督に聞くことが出来たらいいなと思ったことがある。
「名峰の頂から見た景色は、いかがですか」と・・・・
きっとその時、笑顔で何も話してくれないのだろう・・・
そんな、勝手な思いを廻らせた・・・

そして3年生に贈りたい言葉がある。
慶応義塾大学のラグビーに残る言葉だそうである。
「花となるより根となろう」


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